仕事やプロジェクトの計画を立てるとき、「スケジュールを決めよう」というのはよく聞く言葉ですが、「マイルストーンを設定しよう」と言われると少し戸惑う人もいるかもしれません。
一体この「マイルストーン」とは何なのでしょうか?スケジュールとどう違うのでしょうか?
本記事では、ビジネスやプロジェクト管理で頻繁に使われる「マイルストーン」という言葉の意味や背景、そして「スケジュール」との違いをわかりやすく解説します。初めて耳にする方でもすんなり理解できるよう、例を交えながら丁寧にご紹介していきます。
マイルストーンとは?
プロジェクトの「節目」を示す重要な目印
「マイルストーン(milestone)」とは、本来は「道しるべ」や「距離標識」を意味する英語です。これがビジネスやプロジェクト管理においては、「目標地点」や「区切りのタイミング」といった意味で使われます。
たとえば、ある商品開発プロジェクトで「設計完了」「試作品完成」「テスト開始」「納品」など、重要な進行段階をあらかじめ設定し、それを達成できたかどうかをチェックするのがマイルストーンの役割です。
「やること」ではなく「できたか」を見る基準
マイルストーンは、「これをやる」ではなく「ここまで終わったか?」という視点で設定されます。したがって、ToDoリストのような「作業リスト」ではなく、あくまで進捗の判断基準というわけです。
スケジュールとの違い
スケジュールは「日々の流れ」、マイルストーンは「節目のゴール」
スケジュールは日々の作業計画です。いつ何をするか、どのくらいの時間をかけるかなど、細かなタスクの流れが時間軸に沿って書かれているのが一般的です。
それに対してマイルストーンは、「スケジュールの中で特に重要な日」をピックアップしたもの。つまり、「スケジュール全体のなかに組み込まれているチェックポイント」とも言えます。
視点 | マイルストーン | スケジュール |
---|---|---|
役割 | 節目の確認 | 日々の進行計画 |
例 | 設計完了日、納品日など | 毎日のタスク内容 |
数量 | 限られた数(5〜10個程度) | 多くの細かいタスク |
マイルストーンの設定例
たとえば、以下のようなプロジェクトにマイルストーンを設けると、進行管理がしやすくなります。
新製品開発の場合
-
4月10日:基本設計完了
-
5月1日:試作品完成
-
6月5日:テスト終了
-
6月30日:最終納品
こうした節目が明確になることで、「順調かどうか」「遅れているか」などの判断がしやすくなります。
なぜマイルストーンが大切なのか?
進捗の見える化で、全体の遅れを防ぐ
マイルストーンを設けることで、プロジェクトの中間地点でも立ち止まって進行を確認できます。これにより、「気づいたら納期直前で遅れていた…」というような事態を防げます。
また、メンバー間の認識をそろえる効果もあり、「今どこまで進んでいるか」「次の山場はいつか」が共有され、チーム全体の動きが滑らかになります。
ビジネス以外でも使える?マイルストーン的思考
マイルストーンという概念は、ビジネスやプロジェクト管理に限らず、私たちの日常生活にも応用できます。
たとえば「資格試験の勉強」や「転職活動」などでも、ただ漠然と進めるより、
-
〇月〇日までに参考書1周
-
〇月〇日に模試を受ける
-
〇月〇日に志望先へ応募
というようにマイルストーンを置くと、達成感が得られやすく、モチベーションも維持しやすくなります。
まとめ
マイルストーンは、単なる日程表ではなく、プロジェクトや計画の「節目」や「達成ポイント」を意味します。スケジュールと併用することで、進捗の管理がしやすくなり、目標達成に向けてチームの動きもスムーズになります。
特に長期的な計画を立てる際には、「途中で迷子にならない」ための道しるべとして、ぜひ取り入れてみてください。