会議や打ち合わせでよく耳にする「フィックスする」という言葉。
たとえば、
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「来週の予定、そろそろフィックスしましょう」
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「この企画書、午後までにフィックスしておいてください」
…なんとなく意味は分かる気がするけれど、英語の「fix(直す)」とは少し違う気もしますよね。
今回は、この「フィックスする」の意味や使い方を、わかりやすく解説します。
本来の英語「fix」は「直す・固定する」
英語での “fix” は、主に以下のような意味を持ちます。
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壊れたものを「修理する」
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ぐらぐらする物を「固定する」
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問題や課題を「解決する」
しかし、日本のビジネスシーンで使われる「フィックスする」は、これらとは少しニュアンスが異なります。
日本語の「フィックスする」は「決定する・確定する」
日本のオフィスでよく使われる「フィックス」は、「決める」「確定させる」という意味で使われることが多いです。
よくある例文:
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「納期は明日フィックスします」→ 納期を確定させます
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「レイアウト案、これでフィックスしていいですか?」→ この案で最終決定にしていいですか?
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「会場はこのホテルでフィックスします」→ このホテルに決定します
つまり、話し合いや調整の末に「もう変えない」「確定する」ことを指すのです。
なぜ「決定」の意味に?
これは、おそらく「fix = 固定する」から派生して、
「決まったことを動かさない=確定させる」という解釈が広まったと考えられます。
ただし、本来の英語ではこの意味で使われることはあまりないため、
カタカナ英語として独自に進化した言い回しだと言えます。
似た表現との違い
表現 | ニュアンス |
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フィックスする | 最終的に確定し、変更しない |
決定する | フォーマルな表現。書面や公式な場で多い |
確認する | 現状を再確認するだけで、必ずしも決めるわけではない |
詰める | 詳細を決める前の段階で、検討・調整している最中 |
使うときの注意点
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外資系やIT業界では普通に使われていますが、年齢層や業界によっては通じにくいことも
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社内では通じても、取引先には「決定します」と伝えたほうが丁寧な場合もあります
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カジュアルな言葉なので、書類や契約文書には不向き
言い換えるなら?
シーンに応じて、以下のように言い換えるとより伝わりやすくなります。
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社内向け:「確定します」「これで進めます」
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社外向け:「決定いたします」「この内容で確定とさせていただきます」
まとめ
「フィックスする」は、
日本独自のカタカナ英語として「確定する・決定する」という意味で使われています。
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調整を終えて「これで決まり!」というときに使う
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英語の “fix” とはニュアンスがやや異なる
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TPOを意識して、必要に応じて言い換えるのがベター
「そろそろフィックスしませんか?」と自然に使えたら、
ちょっとできるビジネスパーソンに見えるかもしれませんね。