「速達って普通の封筒に赤い線を引けばいいんだよね?」「レターパックってポストに入れられるから便利そう」──どちらも“早く届ける”手段として知られていますが、実はその中身や使い勝手には大きな違いがあります。
料金、配達スピード、サイズ、送り方、追跡の有無…。なんとなく使っているけれど、詳しく比べたことがない人も多いのではないでしょうか。
この記事では、郵便局でよく使われる「速達」と「レターパック」の違いをわかりやすく整理し、それぞれの特徴やメリット・デメリット、使い分けのポイントを紹介していきます。
「どっちが早いの?」「安いのは?」「就活の書類はどっちで送ればいい?」といった実用的な疑問にもお答えしますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
そもそも「速達」とは何か?
「速達(そくたつ)」とは、日本郵便の通常郵便に“追加料金”を支払うことで、より早く届けてもらえるサービスです。
たとえば、定形郵便(25g以内)は110円(2024年10月改定後)ですが、これに速達料金300円を追加することで、合計410円で速達郵便として送ることができます。
封筒の表面に赤い線を引き、郵便局の窓口またはポストに投函するだけ。速達扱いになると、原則として翌日配達(距離によっては翌々日)となり、普通郵便よりもスピード優先で処理されます。
書類やハガキ、小型の荷物など、普通郵便で送れるサイズであればほとんど対応可能です。
ただし、追跡サービスは基本的にありません。相手に届いたかを確認したい場合は、「簡易書留」など別途サービスを追加する必要があります。
また、土日祝日も配達されるので、平日・休日を問わず素早く届けたいときにも便利です。
「レターパック」ってどういうサービス?
レターパックは、日本郵便が提供する「専用封筒型」の配送サービスです。あらかじめ購入した専用の封筒に入れて送る形式で、料金は全国一律、重さに関係なく送ることができるのが最大の特徴です。
現在は以下の2種類があります(2024年10月改定後):
- レターパックライト(430円):
- 厚さ3cm以内・4kgまで対応
- ポスト投函可
- 相手の郵便受けに配達
- レターパックプラス(600円):
- 厚さ制限なし・4kgまで対応
- 対面で手渡し配達(受領印またはサイン必要)
- ポスト投函または郵便窓口から差し出し可能
どちらも追跡サービス付きで、インターネットから荷物の配送状況を確認することができます。
速達並みのスピードで全国へ届くとされており、都市部であれば翌日配達されることも多いです。
さらに、レターパックは「信書」も送れるため、履歴書や契約書などを送る場面でもよく使われています。
あらかじめ購入しておけばいつでも使える、コンビニや郵便局で手に入れやすいなど、日常的に使いやすいサービスです。
「速達」と「レターパック」の大きな違いとは?
「速達」と「レターパック」はどちらも“早く届ける”ための手段ですが、仕組みや使い方にはいくつか明確な違いがあります。
まず大きな違いは、使う封筒や送り方が異なる点です。速達は自分で用意した封筒を使い、そこに速達料金を追加して送る形式。一方、レターパックは日本郵便が指定する「専用封筒」を使う必要があります。
また、配達方法も異なります。速達は普通郵便と同様、ポスト投函や郵便受けへの配達が基本ですが、レターパックプラスは必ず手渡しでの配達となり、サインまたは受領印が必要です。
さらに、追跡サービスの有無にも差があります。レターパックには追跡番号が付いており、荷物の現在地や配達完了状況を確認できますが、速達には基本的に追跡機能がありません(別料金で書留などを追加することで可能)。
このように、見た目は似ていても、使い方やサービス内容はかなり異なります。用途や目的に応じて、最適な手段を選ぶことが大切です。
料金・サイズ・速さ・追跡…早見表で比べてみよう!
ここでは、「速達」「レターパックライト」「レターパックプラス」の3種類を、項目ごとに比較してみましょう。
項目 | 速達(定形郵便) | レターパックライト | レターパックプラス |
---|---|---|---|
料金(2024年) | 410円(110円+速達300円) | 430円 | 600円 |
サイズ上限 | 封筒サイズ(定形・定形外) | 厚さ3cm以内/A4相当 | 厚さ制限なし/A4相当 |
重さ上限 | 1kgまで(封筒サイズに依存) | 4kgまで | 4kgまで |
配達方法 | 郵便受け | 郵便受け | 対面手渡し・受領印あり |
追跡サービス | ×(なし)※追加で書留可 | ◯ | ◯ |
土日祝配達 | ◯ | ◯ | ◯ |
このように比べてみると、速達は「今ある封筒でそのまま送りたい」「なるべく安く早く届けたい」時に便利。
一方レターパックは「追跡も必要」「対面で受け取ってほしい」「重めの書類も送る」といったシーンに向いています。
表を参考にしながら、自分の目的に合った方法を選びましょう!
こんなときはどっち?目的別の使い分け事例
速達とレターパック、それぞれの特徴がわかったところで、実際の場面でどう使い分ければよいのでしょうか? 以下に、具体的なシーンごとのおすすめの選び方を紹介します。
● 就職活動の履歴書やエントリーシート → レターパックライト 追跡ができて、郵便受けに配達されるので安心。厚さ3cm以内で収まるならベストです。
● 契約書・重要書類など確実に手渡しで届けたい → レターパックプラス サインまたは受領印が必要なので、受取確認も可能。安心感を重視するならこちら。
● ポスト投函でサッと送りたい書類 → 速達(定形郵便) すぐ出したいけど封筒はもう手元にある、というときに便利。赤い線を書くだけでOK。
● 書類を相手に急ぎで送りたいが追跡までは必要ない → 速達(定形郵便) できるだけ安く、でも早く届けたいというニーズに合致します。
● 分厚い書類やパンフレットなど、容量があるもの → レターパックプラス 厚さ制限がないため、大量の紙類でも安心して送れます。
このように、送りたいものの大きさや重さ、相手にどう届けたいか、どれくらいのスピードで送りたいかによって、最適な手段は変わってきます。
「どう送るか」をしっかり選ぶことで、相手にも気遣いが伝わりますし、無駄な出費やトラブルも防げますよ。
「ゆうパケット」「簡易書留」などとの違いも知っておこう
「速達」や「レターパック」以外にも、郵便局には“早く届ける”“確実に届ける”ためのサービスがいくつかあります。その代表が「ゆうパケット」や「簡易書留」です。
● ゆうパケット 小さな荷物向けの配送サービスで、主に通販サイトなどがよく使っています。追跡可能で、厚さ3cmまで・1kg以内で全国一律料金(250円〜)というのが魅力。
レターパックライトと似ていますが、郵便受けへの配達でサインは不要。また、信書(履歴書・契約書など)は送れない点に注意が必要です。
● 簡易書留 速達よりもさらに“確実に届ける”ことを目的としたサービス。追跡と補償(5万円まで)がついていて、重要書類の郵送などに使われます。サインまたは受領印が必要です。
速達との違いは、配達スピードよりも「安心して届ける」ことが重視される点。補償があることで、万が一のトラブルにも対応できます。
このように、「速達」「レターパック」「ゆうパケット」「簡易書留」は、それぞれ目的や特性が異なります。
どれが最適かは「何を送るのか」「どれくらいのスピードや安心感を求めるのか」によって変わるので、うまく使い分けられると便利ですね。
実際に使ってみて感じたメリット・デメリット
ここでは、筆者自身や利用者の声をもとにした「使ってみた印象」から、速達とレターパックそれぞれのメリット・デメリットを紹介します。
● 速達のメリット
- 手元にある封筒で対応できるので、準備が簡単
- 料金が比較的安く、ちょっとした書類に向いている
- ポスト投函で完結できるので、急ぎのときに便利
● 速達のデメリット
- 追跡サービスがない(別途書留の追加が必要)
- 信書や貴重な書類を送る場合は不安が残る
- レターパックに比べると、やや存在感に欠ける印象も
● レターパックのメリット
- 専用封筒で一律料金、わかりやすい
- 追跡ができて安心感がある
- プラスなら対面手渡しで、確実に届いたことがわかる
● レターパックのデメリット
- 封筒を事前に購入しておく必要がある
- 厚さ制限(ライト)や内容物の制限に注意が必要
- 価格はやや高め(プラスは600円)
どちらも一長一短があり、状況に応じて選ぶことが大切です。
「なるべく安く、でも早く届けたい」なら速達。「安心して届けたい、追跡したい」ならレターパック。そんな使い分けが、現場のリアルな感想として多く聞かれます。
まとめ
「速達」と「レターパック」は、どちらも“早く届けたい”ときに頼れる郵便サービスですが、それぞれの特徴を理解して使い分けることで、よりスムーズで安心な郵送が可能になります。
速達は、今ある封筒で急ぎの書類を送りたいときに最適。シンプルで手軽な一方、追跡や補償などは基本的にないため、重要な書類にはやや不向きな面もあります。
一方、レターパックは料金が決まっていてわかりやすく、追跡もできて安心感があります。特に「ライト」と「プラス」で配達方法が異なるため、状況に応じた選択が可能です。
どちらを選ぶか迷ったときは、「どれくらいの安心感を求めるか」「追跡は必要か」「受け取り方法は?」といった視点で整理すると、最適な方法が見えてきます。
急ぎの郵便を送るとき、ちょっとした知識があるだけで、より便利で失敗のない選択ができます。この記事がそのヒントになればうれしいです。