「猫の手も借りたい」は、「猫でさえも助けて欲しい」というほどの状況を表します。これは、「手が足りなくて非常に忙しい状態で、誰であれ助けが必要だ」という意味を含んでいます。
どうして「猫の手」なのか? 「まとめ」にその由来を書きましたので最後まで読んでくださいね。
それではまず、「猫の手も借りたい」を実際にどのようなシーンでどう使うか、具体的な例文を通じて解説します。
「猫の手も借りたい」の典型的な使用例:シンプルな解説と共に
・テレビで紹介された後、お客さんが急増したケーキ店では、応対が間に合わず、まさに猫の手も借りたい状況です。
・新しく中華料理店で働き始めたが、12時近くになると非常に忙しくなるので、事前に準備を整えておく必要があります。猫の手も借りたいほどの忙しさになるでしょう。
・フリーランサー向けに、極度に忙しい時に助けを提供する業務委託サービスを開始しました。お気軽にご相談ください。
・お墓参りシーズンはお坊さんも非常に忙しい時期です。彼らも猫の手も借りたいほどでしょう。
・有名な寿司店に予約を入れようとしたところ、次の空きは半年先でした。店は毎日、猫の手も借りたいほどの忙しさです。
・社員一人が入院中に別の社員が退職を希望しており、すでに手一杯の状態にさらに負担が増えています。これ以上人が減ると、さらに手が足りなくなります。
・経済の悪化で仕事が激減し、かつての忙しさが懐かしいです。昨年は猫の手も借りたいほど忙しかったのに、今はどうなることかと心配です。
・年末にかけての12月は、どの会社も非常に忙しくなります。これは避けられないことなので、少しの間待つしかありません。
・連日の忙しさに感謝しながらも、助けが必要なほどです。これからも変わらぬ支援をお願いします。
・お誘いはありがたいですが、現在は非常に多忙で、猫の手も借りたいほどです。今回の飲み会は見送らせていただきます。
「猫の手も借りたい」の同義語と類義語
「猫の手も借りたい」と同様に、極度の忙しさを表現する言葉をいくつか紹介します。
まず、「盆と正月が一緒に来たよう」という表現。これは、お盆とお正月が同時に訪れるほどに忙しい状態を意味します。このフレーズは、ただ忙しいだけでなく、めでたいことが重なっているというニュアンスも含んでいます。
他の類似表現には以下のようなものがあります:
- てんてこ舞い:あらゆる方向に忙しく動き回るさまを表す。
- てんやわんや:事態が混乱し、何が何だかわからないほど忙しい状況。
- 目が回るような忙しさ:忙しさが極まり、ほとんど手がつけられない状態。
- 息つく間もない:連続して忙しく、休む暇もないこと。
- 多忙を極める:非常に忙しい状態が続いていることを強調。
これらの言葉はいずれも、「猫の手も借りたい」の状況に匹敵する忙しさを表現しており、日常会話や文章で使う際の参考になるでしょう。
まとめ
「猫の手も借りたい」という表現について解説しました。
この慣用句は、江戸時代の浄瑠璃「関八州繋馬」にその起源があります。この作品は近松門左衛門によって書かれたもので、物語の中で、通常はネズミを捕る以外に役立たないとされる猫の手でさえも借りたいほどの忙しさを表現するシーンがあります。
これにより、「猫の手も借りたい」という言葉が、極めて忙しい状況を描写する際に用いられるようになりました。この表現は現代でも多くのシチュエーションで使われ、誰でもがその忙しさを即座に理解できる便利なフレーズとして広まっています。