「彼は質問されても、のらりくらりとかわしていた。」
「上司から聞かれても、のらりくらりと返事をしている。」
このように使われる「のらりくらり」という言葉。
どこか力の抜けた響きがあり、聞くだけでゆったりした雰囲気を感じる人もいるかもしれません。
しかし実際には、単に「のんびりしている」という意味だけではありません。
場合によっては、はっきり答えない態度や、要領よく責任を避ける様子を表すこともあります。
この記事では、「のらりくらり」の意味や語源、使い方、例文をわかりやすく解説します。
のらりくらりとは?意味をわかりやすく解説
「のらりくらり」とは、はっきりした態度を取らず、ゆっくりとした調子で物事をかわしたり進めたりする様子を表す言葉です。
辞書では、
- とらえどころがない様子
- 要領よく受け流す様子
- はっきりしない態度
などの意味で説明されています。
そのため、「のらりくらり」は単純に「のんびりしている」という意味ではありません。
むしろ、相手の追及や質問をうまくかわすような場面で使われることが多い言葉です。
例えば、
- 質問をのらりくらりとかわす
- 責任追及をのらりくらりと避ける
- 返事をのらりくらりとごまかす
などの使い方をします。
良い意味と悪い意味の両方がある
「のらりくらり」は少し不思議な言葉です。
人によって受ける印象が違うからです。
例えば、
- はっきりしない
- 逃げている
- 責任感がない
と感じる人もいます。
一方で、
- 力が抜けている
- 無理をしない
- 争いを避けるのが上手
という見方もできます。
つまり、「のらりくらり」は完全な悪口ではありません。
文脈によっては、生き方や処世術を表す言葉として使われることもあります。
どんな人に使われる言葉?
「のらりくらりな人」と言われる人には、次のような特徴があります。
- 何事にも慌てない
- 追及されても動じない
- 答えをはっきり言わないことがある
- 人と正面からぶつかるのを避ける
- 要領よく立ち回る
政治家や芸能人へのインタビュー記事などで使われることも少なくありません。
「質問に正面から答えず、のらりくらりとかわした」という表現はニュースでもよく見かけます。
のらりくらりの語源とは?
「のらりくらり」は昔から使われてきた日本語です。
現在でもよく使われますが、その語源は江戸時代までさかのぼると言われています。
江戸時代の「のらりくら」が由来
「のらりくらり」のもとになったのは、江戸時代に使われていた「のらりくら」という言葉です。
当時の文献には、この言葉がすでに登場しています。
もともとは、
- だらだらしている
- はっきりしない
- 無頓着である
といった意味で使われていたと考えられています。
そこから語感を整えるために「り」が加わり、現在の「のらりくらり」になったと言われています。
なぜ現在の意味になったのか
昔の「のらりくら」は、どちらかと言えば怠けている様子や締まりのない態度を表していました。
しかし時代が進むにつれて、
- 要領よく受け流す
- 追及をかわす
- 肩の力を抜いて生きる
といった意味合いも含むようになりました。
その結果、現代では単なる怠け者というよりも、つかみどころのない人物像を表す言葉として定着しています。
言葉の意味は時代とともに変化します。
「のらりくらり」も、その変化を経て今の意味になった言葉の一つなのです。
のらりくらりの使い方
「のらりくらり」は、人の態度や行動を表すときに使われます。
特に多いのは、質問や要求に対して正面から答えず、うまくかわす場面です。
例えば、
- 質問をのらりくらりとかわす
- 責任追及をのらりくらりと避ける
- 会議でのらりくらりと発言する
などの使い方があります。
また、ゆったりした生き方を表現する場合にも使われます。
ただし、その場合でも「のんびり」とは少し違い、どこかつかみどころのない印象が含まれます。
のらりくらりの例文
ここでは、「のらりくらり」の使い方がよく分かる例文を紹介します。
実際には、相手の質問や追及をかわす場面で使われることが多い言葉です。
日常会話の例文
- 宿題は終わったのかと聞いても、息子はのらりくらりと話題を変えてしまう。
- 結婚の予定を聞かれても、彼はのらりくらりと答えを濁していた。
- 母に部屋の片付けを注意されたが、のらりくらりとその場をやり過ごした。
- 友人は将来のことを聞かれると、いつものようにのらりくらりとしている。
- 質問には答えているようで、実はのらりくらりと核心を避けていた。
日常会話では、「はっきり答えない」「うまくかわす」という意味で使われることが多くなります。
仕事での例文
- 会議で進捗状況を聞かれたが、担当者はのらりくらりと説明を続けた。
- 納期の遅れについて質問しても、のらりくらりとした返答しか返ってこなかった。
- 上司は責任の所在について、のらりくらりと話をそらした。
- 取引先からの厳しい質問にも、彼はのらりくらりと対応していた。
- 問題の本質に触れないまま、のらりくらりと会議が終わってしまった。
仕事の場面では、やや批判的な意味合いで使われることが多い言葉です。
政治家や有名人への使い方
ニュースや新聞では、「のらりくらり」がよく登場します。
特に政治家や有名人へのインタビュー記事で見かけることがあります。
- 記者の質問をのらりくらりとかわした。
- 疑惑について聞かれても、のらりくらりとした説明に終始した。
- 厳しい追及を受けながらも、のらりくらりと受け流していた。
この場合は、「正面から答えなかった」という意味合いが強くなります。
のらりくらりの類語
「のらりくらり」には似た意味を持つ言葉がいくつかあります。
| 類語 | 意味 |
|---|---|
| のんびり | 急がずゆっくりしている様子 |
| だらだら | 締まりなく続ける様子 |
| はぐらかす | 質問などをうまく避けること |
| ごまかす | 真実を隠して切り抜けること |
| 飄々(ひょうひょう) | とらえどころがなく平然としている様子 |
中でも「飄々としている」は、「のらりくらり」と似た印象を持つ言葉です。
ただし、「飄々」はどちらかというと褒め言葉として使われることもあります。
「のんびり」と「のらりくらり」の違い
「のらりくらり」を「のんびり」と同じ意味だと思っている人もいますが、実は少し違います。
| 言葉 | 意味 | 特徴 |
|---|---|---|
| のんびり | ゆったり落ち着いている | 基本的に良い意味 |
| のらりくらり | つかみどころがなくかわす | 良い意味と悪い意味がある |
例えば、
「休日をのんびり過ごす」
は自然な表現です。
しかし、
「休日をのらりくらり過ごす」
というと、何となく目的もなく時間を過ごしているような印象になります。
つまり、「のらりくらり」には、どこか曖昧さや要領の良さが含まれているのです。
のらりくらりな人は本当に不真面目?
「のらりくらり」と聞くと、不真面目な人を思い浮かべる人もいるかもしれません。
確かに、責任から逃げたり、はっきり答えなかったりする場面では、良い意味では使われません。
しかし、一方で見方を変えることもできます。
例えば、
- 必要以上に争わない
- 相手の攻撃を受け流す
- 肩の力が抜けている
- ストレスをため込まない
そんな生き方にも見えるからです。
私自身、これまで「お前はまじめだな」と言われることが少なくありませんでした。
どちらかと言えば、何事も真正面から受け止めてしまうタイプです。
だからこそ、「のらりくらり」と生きられる人を見ると、少しうらやましく感じることがあります。
もちろん何でも逃げればいいわけではありません。
それでも、時には力を抜いて受け流すことも、生きる知恵の一つなのかもしれませんね。
まとめ
「のらりくらり」とは、はっきりした態度を取らず、ゆっくりとした調子で物事をかわしたり進めたりする様子を表す言葉です。
- 語源は江戸時代の「のらりくら」
- 質問や追及をうまくかわす場面でよく使われる
- 良い意味と悪い意味の両方を持つ
- 「のんびり」とは少しニュアンスが異なる
一般的には批判的な意味で使われることが多い言葉ですが、見方によっては「肩の力を抜いて生きる姿勢」とも言えます。
忙しくて何でも真正面から受け止めがちな現代だからこそ、時には少しだけ「のらりくらり」と構えてみるのも悪くないのかもしれません。
