「普段は大人しいのに、急に本性を現して驚いた!」
そんなときに使われるのが「猫をかぶる」という表現です。
この言葉、見た目の印象とは裏腹に、なかなか奥が深い言い回しなんです。
今回は、「猫をかぶる」の意味や語源、使い方について、シーン別にわかりやすく解説していきます。
「猫をかぶる」の意味とは?
「猫をかぶる」とは、本性を隠しておとなしく装うことを指す日本語の慣用句です。
たとえば、ふだんは明るく強気な人が、初対面の場でしおらしく振る舞うようなときに「猫をかぶっている」と表現されます。
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表面的には「おとなしそう」「控えめ」に見える
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実際はもっとハキハキしていたり、ズバズバものを言う性格だったりする
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「悪い意味」だけでなく、「場に応じた対応」として肯定的にも使われることがある
語源:「猫はおとなしい」というイメージから
語源には諸説ありますが、一般的には以下のような説が有力です。
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昔から「猫」は、ふだんはおとなしく人懐っこい生き物とされていた
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ただし実際は、気まぐれでいたずら好きな一面もある
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そのギャップを利用して、「猫のように大人しいフリをする」という比喩が定着したといわれています
つまり、「猫の皮をかぶって本性を隠す=猫をかぶる」というわけです。
シーン別:「猫をかぶる」の使い方
職場や面接での「猫をかぶる」
例:「彼、面接のときは猫をかぶってたけど、今は毎日遅刻してくる」
仕事の場面では、自分をよく見せようとして猫をかぶる人も少なくありません。
ただし、あまりにもギャップがあると「信用をなくす原因」にもなります。
恋愛の場面での「猫をかぶる」
例:「付き合うまでは猫かぶってたけど、実はめっちゃ辛口な性格だった(笑)」
恋愛では、よく見せたい心理から「猫をかぶる」ことがあります。
第一印象を良くしたい気持ちはわかりますが、付き合いが深くなるにつれ、だんだん“本性”が見えてきます。
飲み会や初対面の集まりで
例:「初対面では猫をかぶるタイプなので、静かにしてるけど、ほんとは賑やか」
人見知りの人や、場の空気を読むのが得意な人が、あえて自分を出さないケースも。
この場合は悪い意味ではなく、“配慮”のひとつと捉えることもできます。
「猫をかぶる」を使うときの注意点
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本人が意識的に演じている場合もあれば、無意識の場合もある
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言い方によっては「ずるい」「二面性がある」とネガティブに受け取られることも
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場に応じて空気を読む柔軟性として、ポジティブにとらえる人もいる
使い方次第で、相手を傷つける表現になり得るため、言葉のトーンに注意が必要です。
まとめ
「猫をかぶる」という言葉には、
「本性を隠しておとなしく見せる」
という意味だけでなく、
「場に合わせて振る舞う知恵」や「最初は様子見」という意味合いもあります。
悪い意味だけではなく、相手との距離を測ったり、トラブルを避けるための行動でもあるのです。
自分が猫をかぶっているのか、それとも誰かが猫をかぶっているのか。
ときには立ち止まって、その理由を考えてみるのもいいかもしれませんね。