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「案ずるより産むが易し」とは?意味・使い方・例文をわかりやすく解説

案ずるより産むが易しとは?意味・使い方・例文・由来をわかりやすく解説 ことわざ

「案ずるより産むが易し」ということわざがあります。

何かを始める前は、

「うまくいかなかったらどうしよう」

「失敗したら困るな」

と、あれこれ心配してしまうものです。

でも、いざ実際にやってみると、思っていたほど大変ではなかったということがあります。

そんなときに使われるのが、「案ずるより産むが易し」です。

私はこのことわざが、とても好きです。

というのも、自動車の営業をしていた頃、何度もこの言葉どおりの経験をしたからです。

特に苦手だったのが、飛び込み営業でした。

お客様の家を訪ねなければならないのに、玄関へ向かう前から、

「嫌な顔をされたらどうしよう」

「断られたら気まずいな」

「何を話せばいいんだろう」

と考えてしまう。

まだ何も起きていないのに、頭の中だけではどんどん話が悪い方向へ進んでいきます。

そして、考えれば考えるほど動けなくなってしまうのです。

そんなとき最後は、

「もう、どうにでもなれ!」

と開き直って、玄関のインターホンを押す。

すると案外、普通に話を聞いてもらえたりする。

もちろん断られることもありましたが、少なくとも、動く前に頭の中で想像していたほど大変ではなかったということは何度もありました。

あとになって気づいたのですが、私の場合は、どうやら順番が逆だったようです。

あれこれ考えてから動こうとするのではなく、まず動いてみる。

考えるのは、それからでも遅くなかったのです。

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「案ずるより産むが易し」とは?意味を簡単に

「案ずるより産むが易し」とは、物事を始める前にはあれこれ心配してしまうものの、実際にやってみると、思っていたほど難しくないことを表すことわざです。

ことわざ 意味
案ずるより産むが易し 始める前に心配するより、実際にやってみると案外たやすいこと

大切なのは、「行動すれば必ず成功する」という意味ではないことです。

やってみても失敗することはありますし、思った以上に難しいこともあります。

それでも、始める前に想像していたほどではなかった。

心配ばかりしていた時間の方が、むしろ苦しかった。

そんな場面にぴったりの言葉です。

「案ずる」「産む」「易し」はどういう意味?

ことわざを言葉ごとに分けると、意味がわかりやすくなります。

言葉 意味
案ずる 心配する、あれこれ考える
産む 子どもを出産する
易し たやすい、難しくない

このことわざは、出産を前にあれこれ心配していても、実際には心配していたより無事に済むこともある、というたとえから生まれた表現です。

そこから、出産に限らず、仕事や勉強、人間関係、新しい挑戦など、始める前に必要以上に心配している場面にも使われるようになりました。

「案ずるより産むが易し」の使い方・短い例文

「案ずるより産むが易し」は、新しいことを始める前や、不安でなかなか行動に移せない場面でよく使われます。

  • 初めての面接で緊張したが、終わってみれば案ずるより産むが易しだった。
  • 難しそうな手続きだったが、やってみれば案ずるより産むが易しだった。
  • 一人旅は不安だったが、出発してみると案ずるより産むが易しだった。
  • 初めて人前で発表したが、案ずるより産むが易しで無事に終わった。
  • 新しい仕事を心配していたが、始めてみれば案ずるより産むが易しだった。

自分自身に言い聞かせるように、

「まあ、案ずるより産むが易しだ。やってみよう」

と使うこともできます。

私は、動く前にあれこれ考えすぎるタイプだった

自動車の営業をしていた頃、私はどうも動く前に考えすぎるところがありました。

特に飛び込み営業は苦手です。

知らないお宅へ行って、インターホンを押す。

文章にすると、それだけのことです。

ところが、実際に玄関へ向かうとなると、頭の中ではいろいろな想像が始まります。

「忙しいところだったら迷惑だろうな」

「営業だとわかった瞬間に嫌な顔をされるかもしれない」

「怒られたらどうしよう」

まだインターホンさえ押していないのに、もう断られた後のことまで考えている。

そして、何もしていないのに疲れてしまう。

今振り返ると、ずいぶん効率の悪いことをしていたものです。

最後は「どうにでもなれ!」でピンポンを押す

それでも営業ですから、いつまでも車の中にいるわけにはいきません。

どこかで覚悟を決めて、玄関まで行かなければなりません。

そんなときは、もう理屈ではありませんでした。

「どうにでもなれ!」

そんな気持ちで、ピンポンを押します。

すると、もちろん「結構です」とすぐ断られることもあります。

でも意外に普通に話を聞いてもらえたり、そこから車の相談をされたりすることもありました。

不思議なもので、ピンポンを押す前にはあれほど大きく見えていた不安が、押した瞬間から「現実の出来事」に変わります。

そして現実になれば、その場で対応していくしかありません。

考えているだけのときより、むしろその方が楽だったのです。

あとになって気づいた。「順番が逆だった」

こうした経験を何度もしているうちに、一つ気づいたことがあります。

大した発見ではありません。

でも私にとっては、意外と大きなことでした。

順番が逆だったんです。

私はずっと、

考える → 不安がなくなる → 行動する

という順番で動こうとしていました。

ところが、不安というものは、考えれば必ず消えるとは限りません。

むしろ考えるほど大きくなることもあります。

だったら、

必要な準備をする → まず動く → 起きたことに応じて考える

という順番でもいい。

飛び込み営業でいえば、難しいことではありません。

まず、玄関の前まで行ってピンポンを押す。

その先のことは、相手が出てきてから考えればいい。

もちろん、何の準備もせずに行動すればよいという意味ではありません。

でも、考えても答えが出ないことを、行動する前にいつまでも考え続ける必要はない。

私にとって「案ずるより産むが易し」は、そんなことを思い出させてくれることわざでもあります。

トラブルほど、案じている時間を長くしない

「まず動く」ということは、飛び込み営業だけでなく、トラブルが起きたときにも大切だと感じるようになりました。

自動車の仕事をしていれば、お客様の車に思わぬトラブルが起きることもあります。

そんなとき、こちらに落ち度があれば、なおさら連絡するのが気重くなります。

「怒っているだろうな」

「どう説明しよう」

「もう少し状況がわかってから連絡した方がいいかな」

いろいろ考えているうちに、電話をかけるのが遅くなってしまう。

でも、こういうときは時間がたてばたつほど、かえって解決に時間がかかることがあります。

トラブルそのものに加えて、

「なぜ、もっと早く連絡してくれなかったのか」

という新しい問題まで増えてしまうからです。

もちろん、状況を確認せずに慌てて連絡すればよいということではありません。

必要なことを確認したら、あとは早めに動く。

こちらに非があることが明らかなら、まず謝る。

わからないことがあれば、「今わかっているのはここまでです」と伝える。

すべての答えがそろうまで待つ必要はない場合もあります。

謝罪に行く前は、本当に「敷居が高い」

以前、車のトラブルでお客様の家へ謝罪に行かなければならなくなったことがありました。

経験の浅かった私は、訪問する前からあれこれ考えてしまい、お客様の家の敷居が鴨居ぐらいの高さに思えてなりませんでした。

ところが、実際に訪問してみると、幸い優しいお客様でした。

まさに「案ずるより産むが易し」だったわけです。

このときの経験は、「敷居が高い」という言葉の本来の意味にもよく当てはまります。

関連記事:「敷居が高い」とは?本来の意味と使い方、「ハードルが高い」との違いを解説

もちろん、謝りに行けばいつも優しく許してもらえるわけではありません。

怒られることもあります。

飛び込み営業なら、玄関先で断られることもあります。

それでも、始める前に頭の中で何度も悪い場面を想像していたほど大変ではなかった――そんな経験は何度もありました。

私にとって「案ずるより産むが易し」は、「やれば必ずうまくいく」という言葉ではなく、「まだ起きてもいないことを心配しすぎなくてもいい」という言葉なのだと思います。

「案ずるより産むが易し」は、考えなくていいという意味ではない

ここは少し注意したいところです。

「案ずるより産むが易し」というからといって、

「何も考えず、とにかくやってしまえばいい」

という意味ではありません。

大きなお金が動くこと、安全に関わること、やり直しが難しいことなどは、事前によく考える必要があります。

私が営業時代に気づいたのも、準備がいらないということではありませんでした。

問題だったのは、考えても答えが出ないところまで来ているのに、まだ考え続けていたことです。

準備できることは準備する。

確認できることは確認する。

それでも最後は、実際にやってみなければわからない。

そこまで来たら、あとは一歩を踏み出すしかありません。

「案ずるより産むが易し」に似たことわざ・表現

「案ずるより産むが易し」と似た場面で使われる言葉はいくつかありますが、意味は少しずつ違います。

言葉 意味・ニュアンス
案ずるより産むが易し 始める前に心配するより、実際にやってみると案外たやすい
百聞は一見にしかず 何度も人から聞くより、自分で実際に見る方がよくわかる
習うより慣れよ 知識として教わるだけでなく、実際に経験して身につけることが大切
当たって砕けろ 結果を恐れず、思い切って挑戦してみる

この中でも「案ずるより産むが易し」は、行動する前の「心配しすぎ」に焦点があるのが特徴です。

「勇気を出して挑戦しよう」というだけではなく、実際よりも頭の中で難しくしてしまっているかもしれないというところに、このことわざらしさがあります。

「案ずるより産むが易し」の反対に近い考え方は?

「案ずるより産むが易し」に、これと決まった反対のことわざがあるわけではありません。

ただ、物事を始める前によく考えることの大切さを表す言葉としては、「転ばぬ先の杖」などがあります。

「転ばぬ先の杖」は、失敗しないように前もって準備しておくことの大切さを表します。

ことわざ 重視すること
案ずるより産むが易し 心配しすぎず、実際にやってみる
転ばぬ先の杖 失敗する前に備えておく

一見すると反対のようですが、どちらか一方だけが正しいわけではありません。

準備すべきことは準備する。でも、準備ができたら心配ばかりせず動いてみる。

このくらいが、ちょうどいいのかもしれません。

「案ずるより産むが易し」についてよくある質問

Q.「案ずるより産むが易し」とは簡単にいうと?

A.始める前には心配でも、実際にやってみると、思っていたほど難しくないという意味です。

新しいことに挑戦するときや、不安でなかなか行動できないときなどに使われます。

Q.「案ずる」とはどういう意味ですか?

A.このことわざでは「心配する」「あれこれ気にかける」という意味です。

「案じる」ともいい、「身を案じる」「先行きを案じる」などの形でも使われます。

Q.「産む」は「何かを始める」という意味ですか?

A.ここでの「産む」は、もともと子どもを出産することを指します。

「産む」という言葉そのものが「新しいことを始める」という意味になったのではなく、ことわざ全体が、現在ではさまざまな物事を始める場面にたとえて使われています。

Q.「案ずるより産むが易し」は、どんなときに使いますか?

A.始める前に心配していたものの、実際にやってみると思ったより簡単だったときに使えます。

また、不安で一歩を踏み出せない人に対して、「やってみれば意外と大丈夫かもしれないよ」という意味で使うこともあります。

Q.「案ずるより産むが易し」は「何も考えず行動しろ」という意味ですか?

A.そういう意味ではありません。

必要な準備や確認まで省くのではなく、始める前から必要以上に心配しすぎないことを表したことわざです。

まとめ|まず、ピンポンを押してみる

「案ずるより産むが易し」とは、始める前にはあれこれ心配していても、実際にやってみると思っていたほど難しくないことを表すことわざです。

私自身、自動車の営業をしていた頃は、動く前にあれこれ考えてしまうことがよくありました。

飛び込み営業に行けば、まだインターホンも押していないのに、断られた後のことまで考えている。

トラブルが起きれば、お客様へ連絡する前から、怒られている自分を想像している。

考えているうちに不安がなくなるのなら、それでもよかったのでしょう。

でも私の場合は逆でした。

考えれば考えるほど、不安が大きくなって動けなくなる。

だから、あるときから順番を少し変えてみました。

必要な準備はする。

でも、考えても答えが出ないところまで来たら――

まず、ピンポンを押してみる。

その先のことは、ピンポンを押してから考えればいい。

もちろん、それでいつもうまくいくわけではありません。

断られる日もあれば、怒られる日もあります。

それでも、始める前に頭の中で想像していたほど大変ではなかったことは、何度もありました。

「案ずるより産むが易し」。

私がこのことわざを好きなのは、たぶん何度もそんな経験をしてきたからなのだと思います。

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