否定の皮を被った「肯定」の言葉
「まんざらでもない」という言葉を耳にすると、どんな表情を思い浮かべますか?
私のイメージでは、ずばり「鼻の下が伸びている顔」です(笑)。

「全然ダメだ」と否定するふりをしながら、実は「結構いいじゃないか」と満足している。
そんな、日本人の奥ゆかしさと、隠しきれない本音が同居した面白い表現です。
「満更(まんざら)」の由来と、二重否定の魔法
漢字では「満更でもない」と書きます。
もともと「満更」は、「全く」「ことさら」という意味で、後ろに否定の言葉を伴って「全く〜ではない」という強い否定を作る言葉でした。
それが「満更+でも+ない」と二重に否定を重ねることで、
「全くダメというわけではない」→「むしろ、なかなか良い」
という、プラスの意味に転じたのです。
真っ直ぐに「最高だ!」と言うのは照れくさいけれど、「悪くないよ」と言うことで、自分や相手の価値を認める。
そんな「引き算の美学」が、この言葉には流れています。
他人を見て、自分を愛でて
この言葉は、基本的には他人の様子を評して使われることが多いものです。
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周囲から褒められて、謙遜しつつも顔がほころんでいる人。
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厳しいフィードバックをもらったけれど、そこに期待を感じて前向きになっている人。
そんな様子を見て「あいつ、まんざらでもない顔してるな」なんて使います。
でも、最近思うんです。 たまには自分自身に対しても、
「自分よ、まんざらでもないぞ」
と声をかけてあげてもいいのではないかと。
まとめ:自分を「まんざら」と認めるゆとり
還暦を過ぎ、自分に厳しくしてきた現役時代を経て、今の私たちに必要なのは「自分を労う力」かもしれません。
誰かに褒められたとき、あるいは自分で自分を認めたとき。 鏡の中の自分が少しだけ鼻の下を伸ばしていたら、それはあなたが人生を「まんざらでもない」と感じられている証拠。
また、相手の褒め言葉や指摘に対して、ビジネスシーンで「おっしゃる通りです」と丁寧に返すのも大切ですが、たまには心の内で「まんざらでもないぞ」とニヤけるくらいの余裕を持ちたいものですね。
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