「矛盾」は、一貫性が欠ける状況を表します。この表現は「理屈が通らないこと」「論理的でないこと」「常識に反すること」といった意味でも使われます。
では、どのような文脈で「矛盾」を効果的に使用することができるのでしょうか?
また、なぜ「矛」(ほこ)と「盾」(たて)を合わせて「矛盾」(むじゅん)なのでしょうか?
ここで、その使用例とその由来を紹介します。
「矛盾」の例文を簡単な短文で(ビジネス編)
・毎日「忙しい」と言いながら残業を続ける彼が、頻繁に喫煙所で雑談しているのは、明らかな矛盾です。
・「時間をかけてもいい」と言っていた上司が「仕事が遅い」と叱るのは、矛盾しています。
・働き方改革で残業が制限されているにも関わらず、仕事量が増え続けるのは矛盾だと感じます。
・「困った時は何でも相談して」と言っていた課長が「その程度で相談するな」と叱るのは、矛盾しています。
・何度もクレームをつけてくる客が「御社のため」と主張するのは矛盾しており、対応に迷惑を感じます。
・完全に取引先のミスにも関わらず、「お詫びを要求する」という会社の方針は矛盾していて納得がいきません。
「矛盾」の例文を簡単な短文で(日常編)
・修学旅行中、「夜は静かに」と指導する先生が、自身は宴会で騒いでいるのは矛盾です。
・田舎への移住を夢見て自然を求めたが、実際の不便さに文句を言うのは矛盾しています。
・犯罪防止を支持しつつ、防犯カメラの設置に反対するのは明らかな矛盾だと感じます。
・「動物は自然で生きるべき」と主張しながらペットを複数飼っているのは、矛盾の極みです。
・贅沢を批判する一方で、自らはプライベートジェットで移動するのは矛盾に満ちています。
・自然保護を目的とした太陽光パネル設置が、山の植生に影響を与えているのは矛盾かもしれません。
・高収入の企業幹部を批判するニュースキャスター自身が高額な収入を得ているのは矛盾しています。
まとめ
以上が「矛盾」の例文の紹介でした。
「矛盾」という成語は、中国の古典「韓非子」に由来します。楚の国にいたある武器商人が、「自分の矛はどんなに堅いものでも貫くことができる」と説明しました。そして同じく「自分の盾はどんなに鋭い武器でも防ぐことができる」とも言いました。
この二つの主張を聞いた人々が「その矛でその盾を攻撃したらどうなるのか?」と問うと、商人は答えに窮しました。この話から、矛盾する二つの主張の間に生じる不合理や非論理を「矛盾」と表現するようになったのです。