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「まあまあです」の温度感:褒め言葉?それとも遠慮?

言葉・慣用句

「今日のプレゼン、どうだった?」
「うーん、まあまあでしたね」

この「まあまあです」という返事、よく耳にしますよね。
でも、それが褒め言葉なのか、イマイチだったのか、正直なところよくわからない――そんな経験、ありませんか?

日本語には、物事をハッキリ言い切らない“あいまいさ”が息づいています。
「まあまあです」はその代表格。言葉のトーンや場の空気によって、受け取る意味がガラッと変わってしまうのが特徴です。

今回は、「まあまあです」という言葉に込められた微妙な温度感と、日本語らしいコミュニケーションの特徴について、深掘りしてみましょう。

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「まあまあ」の辞書的な意味と日常的な使われ方

「まあまあ」という言葉は、国語辞典では以下のように定義されています。

  • 完全によいとは言えないが、それほど悪くもないさま。中くらい。そこそこ。

  • 相手をなだめたり落ち着かせたりするときの呼びかけにも用いる(例:「まあまあ、そんなに怒らずに」)。

つまり、「ほどほど」「可もなく不可もなく」といったニュアンスが基本です。
しかし、実際の会話では、“とりあえず言葉を濁すための便利なフレーズ”として、非常に広く使われています。

たとえば…

  • 褒められたときに「まあまあですよ」と返す → 謙遜

  • 感想を求められて「まあまあかな」 → 微妙な印象をオブラートに包む

  • 失敗に対して「まあまあ、そういうこともあるよ」 → なだめる

このように、「まあまあ」は発言者の意図や場の雰囲気によって、肯定にも否定にも聞こえる、とてもグレーな表現なのです。

「まあまあ」はポジティブ?それともネガティブ?

「まあまあ」という言葉は、その場の空気や言い方によって受け取られ方が大きく変わります。

ポジティブに受け取られる場合

  • 「まあまあ良かったよ」
     → 大絶賛ではないけれど、一定の評価を与えている。

  • 「まあまあやるじゃん」
     → 期待以上だったという意味を込めた、フレンドリーな褒め言葉。

このように、軽く肯定するニュアンスを含むことがあります。
特に親しい間柄や砕けた会話では、**遠慮や照れ隠しとしての“プチ肯定”**に使われやすいのです。

ネガティブに受け取られる場合

  • 「まあまあってことは、あんまり良くなかったんだね」

  • 「もっと期待してたのに…まあまあ止まりかぁ」

受け手によっては、“期待外れ”や“物足りなさ”をぼかして伝えているようにも感じられます。
特にビジネスや初対面の場面では、相手をがっかりさせる可能性もあるため注意が必要です。

このように、「まあまあ」は“便利だけど誤解されやすい表現”でもあります。

ビジネスの場で「まあまあ」を使うときの注意点

ビジネスシーンにおいて、「まあまあ」という表現はあまりおすすめされません。理由は以下のとおりです。

1. 評価があいまいで伝わりにくい

たとえばプレゼンを見た後に「まあまあでしたね」と言った場合、
「褒めているのか、否定しているのか」がはっきりせず、相手にとって不安を与えることがあります。

2. 丁寧さに欠ける印象を与えることも

ビジネスでは具体的な評価やフィードバックが求められます。
「良かった点」や「改善すべき点」を明確に伝えず、「まあまあ」という一言で済ませてしまうと、
責任を回避しているような態度と受け取られることもあるのです。

3. 海外の取引先には通じない・誤解されやすい

英語に直訳すると “so-so” や “not bad” になりますが、これはややネガティブな印象を与える表現です。
グローバルなやり取りにおいては、“中途半端な評価”は評価されないことも覚えておくべきでしょう。

「まあまあです」と言いたいときの、代わりの表現

「まあまあです」と言いたい場面でも、少し言い方を変えるだけで、印象は大きく変わります。以下にいくつかの代替表現を紹介します。

1. フォーマルな言い換え

  • 「それなりに良かったです」
     → 少し控えめながらも前向きな印象。

  • 「全体的には順調です」
     → 中庸を保ちつつ、ビジネス向きの柔らかい表現。

2. ポジティブ寄りに伝えたいとき

  • 「思ったより良かったです」
     → 相手の期待に応えたことを示せる。

  • 「大きな問題はありませんでした」
     → 改善点がある余地をにじませつつも、肯定的。

3. ネガティブ寄りに伝えたいとき

  • 「もう少し改善できそうです」
     → 否定せずに前向きな改善の余地を伝えられる。

  • 「期待値には届きませんでしたが、次に活かせそうです」
     → 相手を否定せず、成長意欲を示す一言。

このように、「まあまあです」という一言に頼らず、伝えたい内容や場の空気に合わせて表現を選ぶことで、より丁寧で好印象なコミュニケーションにつながります。

まとめ

「まあまあです」という言葉は、日本語ならではのあいまいさと奥ゆかしさを含んだ表現です。

一見ポジティブにもネガティブにも聞こえず、場の空気を壊さない便利な言い回しですが、使い方によっては「本音が見えにくい」「気持ちが伝わりにくい」といった印象を与えることもあります。

  • 謙遜や遠慮として使われることが多い

  • 本音をやわらげるクッション言葉にもなる

  • 言い換え次第で、印象をコントロールできる

「まあまあ」という表現の裏にある自分の気持ちや、相手との距離感を意識することで、より的確で好感のもてるコミュニケーションができるようになるかもしれません。

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