「その件については云々ありまして……」
「細かい事情は云々として、結論から言います」
文章や会話の中で、ときどき見かける「云々」という言葉。
読み方は「うんぬん」です。
漢字だけを見ると少し硬く、いかにも昔の文章に出てきそうな言葉ですが、今でもビジネスや説明文の中で使われることがあります。
ただ、この「云々」という言葉、便利な反面、使い方によっては少し冷たく聞こえることもあります。
今回は、「云々」の意味や使い方、類語との違い、そして相手の話を“云々”で片づける時の注意点について考えてみたいと思います。
「云々」の意味とは?
「云々」とは、簡単に言えば、
“細かい内容を省略して示す言葉”
です。
もともと「云」は「言う」という意味を持つ漢字です。
そこに繰り返しを表す「々」が付いて、
“あれこれ言うこと”
を表すようになりました。
現在では、主に次のような意味で使われます。
- 細かい内容を省略する
- あれこれと言う
- 長い説明をまとめる
つまり「云々」は、話の細部を省きたい時に使う言葉です。
「云々」はどう読む?
「云々」は、
うんぬん
と読みます。
漢字だけを見ると「うんうん」と読んでしまいそうですが、正しくは「うんぬん」です。
「云」は「言う」という意味を持ち、「云々」で“あれこれ言うこと”を表します。
ただし、日常では漢字で書くとやや硬く見えるため、読みやすさを重視するなら「うんぬん」とひらがなで書くのも自然です。
「云々」の使い方
「云々」は、主に説明を省略したい時や、細かい事情をまとめたい時に使います。
例文
- 細かい経緯は云々として、まず結論をお伝えします。
- 契約条件について云々する前に、相手の意向を確認しましょう。
- 責任の所在を云々するより、まず被害を防ぐことが先です。
- 彼は待遇がどうだ、環境がどうだと云々していた。
このように、「云々」は話題を省略したり、あれこれ言う様子を表したりする時に使われます。
「云々」は便利だけれど、少し偉そうに聞こえる
「云々」は便利な言葉です。
長い説明を短くできますし、細かい部分を省いて本題に入ることができます。
ただし、言い方によっては少し偉そうに聞こえることがあります。
たとえば、誰かが一生懸命説明したあとに、
「その辺は云々として」
と言われたらどうでしょう。
話を整理しているだけかもしれません。
でも、説明した側からすると、
「そこが大事だったんだけどな」
と思うかもしれません。
つまり「云々」は、使う側には便利でも、聞く側には“雑に扱われた”ように感じることがあるのです。
「云々」で片づけられると少し寂しい
私は「云々」という言葉を聞くと、少し複雑な気持ちになります。
一生懸命説明したことを、後から誰かに、
「その件は云々で」
とまとめられてしまうと、まるで大事な部分まで省略されたような気持ちになるからです。
もちろん、悪意はないのでしょう。
むしろ話を簡潔にするための言葉です。
それでも、話した本人からすると、
「そこに気持ちを込めて話したんだけどな」
と思うことがあります。
だから「云々」は便利な反面、少し配慮が必要な言葉なのかもしれません。
「云々」と「あれこれ」の違い
「云々」に近い言葉に「あれこれ」があります。
どちらも、いろいろな内容をまとめて表す言葉です。
ただし、印象は少し違います。
あれこれ
日常的でやわらかい表現です。
- 彼はあれこれ考えていた。
- 旅行の予定をあれこれ話し合った。
云々
少し硬く、文章語的な響きがあります。
- 条件を云々する前に、まず目的を確認する。
- 経緯を云々しても、結論は変わらない。
「あれこれ」は身近な言葉。
「云々」は少し改まった言葉。
この違いがあります。
「云々」と「などなど」の違い
「などなど」も、内容を省略する時に使います。
ただし、「などなど」は列挙の省略に近い言葉です。
- 書類、印鑑、身分証などなどを持参してください。
- 掃除、買い物、洗濯などなどで一日が終わった。
一方、「云々」は、単なる列挙よりも、説明や議論の内容をまとめて省略する時に使われます。
つまり、
- などなど=物事を並べて省略
- 云々=話や内容をまとめて省略
という違いです。
ビジネスで「云々」を使う時の注意点
ビジネスの場では、「云々」は少し注意が必要です。
たとえば、相手の提案に対して、
「費用云々の話は後にしましょう」
と言うと、やや雑に聞こえることがあります。
相手にとって費用は大事な話かもしれません。
その場合は、
- 費用面については、後ほど詳しく確認しましょう。
- 細かい条件については、改めて整理しましょう。
- まずは全体の方向性から確認しましょう。
のように言い換えた方が丁寧です。
「云々」は、便利ですが少し乱暴に聞こえることもある。
だから相手との関係や場面に応じて使い分けたい言葉です。
昭和世代が感じる「云々」の硬さ
私のような昭和世代からすると、「云々」は少し古風で硬い言葉に感じます。
どこか、先生や評論家が使うような響きがあります。
日常会話で頻繁に使うというより、文章や説明の中で見かける言葉です。
だからこそ、うまく使えば知的に見える反面、使い方を間違えると少し偉そうに見える。
このあたりが、「云々」の難しさなのかもしれません。
まとめ:「云々」は省略の言葉だからこそ配慮が必要
「云々」とは、細かい内容を省略したり、あれこれ言う様子を表したりする言葉です。
読み方は「うんぬん」。
「細かい経緯は云々として」「条件を云々する前に」などの形で使われます。
便利な言葉ですが、相手の話をまとめる時には注意が必要です。
誰かが大切に話したことを、こちらが軽く「云々」で片づけてしまうと、相手は少し寂しく感じるかもしれません。
人生もまた、細かいことを云々していては前に進めない場面があります。
とはいえ、誰かの思いや努力まで「云々」で片づけてしまうのは、少し寂しい。
言葉を省略する時ほど、相手への配慮を忘れないようにしたいものですね。

