「お蔵入り」というフレーズは、テレビなどのメディアで頻繁に聞かれます。
元々は「予定されていた歌舞伎や映画などが、上演されなくなる」という状況を指します。
この表現は広がりを見せ、「計画されていたプロジェクトやイベントが中止になる」という意味で広く用いられるようになりました。
さて、この「お蔵入り」をどんなシチュエーションでどのように使うか、実例を交えてご紹介します。
「お蔵入り」の短文例文
・2019年に予定されていた特別な仕様の車が、詳細な説明もなしに計画が中止され、結局は幻のモデルとなりました。
・自民党内で議論されていた、海外在住の日本人全員に一律10万円を支給する案が、進展が見られないまま中止の可能性が高まりました。
・資金調達の問題や市場ニーズ、需要予測の誤り、内部調整の失敗などから、実現されなかったアイデアや技術を活用する新しいビジネスモデルが注目されています。
・長い時間をかけて準備したものの中止となった企画を無駄にしないように、シェアリング協会が実施計画書をまとめ公開しました。
・芸能人のスキャンダルが話題になり、その人物は当面の活動を停止することになりましたが、これまでの番組出演回は全てカットされることが予定されています。
・事前に登録した参加者には、スクールガイドデータの先行配布と、計画段階で中止されたプロジェクトやアイデアが含まれる授業資料を提供します。
・2001年にリリース予定だったが、様々な問題で長期間中止となっていた作品です。
・これまで撮影されたオフショットを見直した結果、一部の写真は使用できず、中止するのも惜しいと感じた写真が何枚かありました。
・特定の放送に関して、放送しないよう要望があり、最終的には放送を断念し中止となりました。
・彼女が完成させた2作目の小説が中止になったため、生活費を稼ぐために作文教室の講師を務めながら、私立探偵としての物語を綴っています。
「お蔵入り」の同義語と類似表現
次に、「お蔵入り」と意味が似ている他の表現をご紹介します。
最も近い意味を持つのは「計画倒れ」で、ほぼ同じ状況を指す表現と言えます。同様に、「企画倒れ」もほとんど同じ意味で使われます。
その他、類似の表現としては以下のような言葉があります。
- 「ボツになる」
- 「頓挫する」
- 「水の泡になる」
- 「尻切れトンボに終わる」
- 「立ち消えになる」
これらの表現も、計画やプロジェクトが中止、または失敗に終わる様子を表すのに役立ちます。
まとめ
ここまでで、「お蔵入り」という表現に関する様々な例文をご紹介しました。参考にしていただければ幸いです。
一般的に「お蔵入り」というと、何かを蔵にしまって二度と使わないことをイメージするかもしれませんが、この語源には他にも興味深い説が存在します。
一つの説として、「千秋楽」の「落」を逆さにして「くら」と発音したとされます。昔、言葉を逆さにする遊びが流行しており、「新た」を「新しい」と言い換えたのもその一例です。
「千秋楽」で歌舞伎などの公演が終了し、それ以上見ることができなくなる意味で「くら」が使われ、後に「お蔵入り」という表現に発展したとされています。これは、「蔵に入れる」ことで何も見られなくなるという状態を指しています。