四字熟語の「言語道断」(ごんごどうだん)とは何のことでしょう?
この表現は「筆舌に尽くしがたいほどひどい」ことを意味し、一般的に「信じられない」や「許されない」と同義です。
実は、この言葉には二面性があります。もともとは「言葉では表せないほど素晴らしい」や「言葉では表現しきれないほど感動的」といった肯定的な意味合いも含まれていました。しかし、現代では主に否定的な状況を指すことが多いです。
それでは、いつ「言語道断」を使うべきでしょうか?
以下、具体的な使い方を例文を交えて説明します。
「言語道断」を簡潔な例文で紹介
- 管理職は社員の不正を是正すべきであり、それを隠蔽する行為は到底許されるものではありません。まさに言語道断です。
- 授業中に眠くなることは時には避けられないかもしれませんが、耳栓をして眠るのは許容範囲を超えています。これは言語道断と言えるでしょう。
- 国税庁の職員が脱税に手を染めるなど、信じがたい行為です。これは明らかに言語道断です。
- 混雑した電車内でマスクを外し、くしゃみをする行為は、言葉を失うほどの非常識です。言語道断としか言いようがありません。
- 裁判の証人を買収するという疑惑が持ち上がった場合、それが事実であれば、司法を妨害する重大な罪です。徹底した調査が求められる事案で、言語道断と評するほかありません。
- 野球で三回の守備機会すべてでエラーを犯すというのは、到底受け入れがたい失態です。これは言語道断の失敗です。
- 法律を制定する国会議員が喫煙禁止区域で喫煙するというのは、自らの立てた規則を破る行為で、言語道断と言えます。
- 盗まれた物を返して欲しいと頼んだところ、「代金を払え」と要求されたなどとは、あまりにも非道です。これは言語道断の行為です。
- 厚生労働省の勤労統計における不正は、特別監察委員会によって「言語道断」と断じられたほどの事態です。
- ウインカーを出さずに車線を変更することは非常識極まりない行為です。これもまた、言語道断と呼ぶにふさわしい行動です。
「言語道断」の類義語とその使い分け
「言語道断」に類似する表現は多く、それぞれが特定のニュアンスを持ちます。
「言語道断」の一般的な意味は、「言葉で言い表せないほどひどい」というものです。
これに類似する表現には、
「呆れてものが言えなくなる」
「言葉も出ない」
「呆気にとられる」
「唖然とする」
「呆れ返る」
「開いた口が塞がらない」
「絶句する」などがあります。
これらは、主に驚きや強い失望を表す場面で用いられますが、「ひどいこと」に限定されるわけではありません。
一方で、「問答無用」という四字熟語もあります。これは、「言葉で言い表せないほどひどい」という意味ではなく、「話し合い自体が無意味」という状況を指します。この表現は、「言語道断」とは異なり、相手の言動に対する直接的な反応よりも、議論の拒否を示す場合に用いられます。
これらの表現は似ているようでいて、使われる文脈や意図に微妙な差異があるため、正確な使用が求められます。
まとめ
以上が、「言語道断」を用いた例文の紹介でした。
「言語道断」は、通常、許容できないほどひどい行為や言動に対して使う表現です。しかし、人間は誰しも間違いを犯すことがあります。
そのため、単なるミスや小さな過ちに対してこの言葉を用いるのは適切ではありません。この表現は、常識を逸脱した行動や、道徳的に許されない重大な問題に対して限定して使用するべきです。