「猿も木から落ちる」（さるもきからおちる）の意味と使い方：シンプルな例文でサラッと解説

「猿も木から落ちる」という言葉を日常的に聞く機会は多いでしょう。皆さんも、これまでに何回かこの表現を耳にしたり、実際に使った経験があるかもしれません。

この記事では、よく用いられることわざ「猿も木から落ちる」の意味、使い方、例文、類義語、そして語源について、詳しくご紹介します。

「猿も木から落ちる」の意味
「猿も木から落ちる」の使われるシーン
「猿も木から落ちる」を活用した具体的な会話例
「猿も木から落ちる」と似た意味のことわざ
「猿も木から落ちる」の語源とその歴史
「猿も木から落ちる」の英語表現
「猿も木から落ちる」と「犬も歩けば棒に当たる」の意味の違い
まとめ

「猿も木から落ちる」の意味

意味：「熟練者でも失敗はある」　引用：デイリーコンサイス国語辞典

「猿も木から落ちる」ということわざは、どれだけ熟練している人でも失敗することがあるという意味を持っています。

木登りが得意な猿でさえ、たまには滑り落ちることがあります。この表現は、たとえどれだけ技術が高くても、誰にでもミスはあるという現実を示しています。

このよく知られたことわざの真の意味を理解し、誤った使い方をしていることがないように注意しましょう。

「猿も木から落ちる」の使われるシーン

「猿も木から落ちる」をどのように使うか、以下に一般的な使い方を3つ紹介します。

専門家やベテランが稀にミスを犯した際、その驚きを表現するのに用いられます。
誰もが油断してはいけないと警告する際に使われることがあります。
失敗に直面した人を慰める際にも使われる言葉です。

ただし、失敗を慰める際には、相手との関係性を考慮することが重要です。特に目上の人に対しては、この表現を使うのは避けた方が賢明です。

「猿も木から落ちる」を活用した具体的な会話例

このことわざ「猿も木から落ちる」を用いた実際の会話シナリオを３つ紹介します。

例文１：ギターの達人が誤って弾くシーンでの発言：「あのギターの達人がミスをしたんだ！猿も木から落ちるって本当だね！」

例文２：テニスの強豪が新人選手と対戦前にコーチが助言：「お前は実力上位だが、油断は禁物だ。猿も木から落ちるからな。油断大敵だぞ！」

例文３：プレゼンが得意なビジネスマンが失敗後に同僚からの励まし：「君でもプレゼンでつまずくことがあるんだな。まあ、猿も木から落ちるさ。くよくよせずに次に向けて頑張ろう！」

これらの例は、達人がミスをした際、油断の危険を警告する時、そして失敗した仲間を励ます場面で「猿も木から落ちる」を使う方法を示しています。

「猿も木から落ちる」と似た意味のことわざ

「猿も木から落ちる」のように、熟練者や専門家でもミスをすることを表す似た意味のことわざを以下に紹介します。

弘法も筆の誤り：書道の達人である弘法大師でも、筆誤りはあると言われることわざです。
河童の川流れ：泳ぎが得意とされる河童が川で流されることから、上手な者でも失敗することを表します。
孔子くじの倒れ：孔子がくじを引いても失敗する可能性があることを示すことわざです。
釈迦も経の読み違い：釈迦も経典を読み誤ることがあるという、誰にでもミスがあることを教える言葉です。
天狗の飛び損ない：飛行能力に長けた天狗でも飛び損なうことがあり、完璧ではないことを示します。
上手の手から水が漏れる：熟練者でも完全には制御できないことを暗示することわざです。
千慮の一失：何度も考え抜いたとしても、一つの失敗はあることを表します。
竜馬の躓き：速く走る良い馬であってもつまずくことがあるという、予期せぬミスを表すことわざです。

これらのことわざは、「猿も木から落ちる」と同様に、どんなに技術や知識がある人でも失敗は起こり得るという教訓を与えています。

「猿も木から落ちる」の語源とその歴史

「猿も木から落ちる」ということわざの具体的な起源は明確ではなく、主に口承を通じて古くから伝わってきたとされています。その正確な語源は不明ですが、長い時間を経て広まり、今日に至っています。

この表現は、猿が木登りの達人であるにも関わらず、時には滑り落ちることがあるという事実から来ています。このことわざには、猿でさえ失敗することがあるため、人間もまた、どんなに能力があっても完璧ではないという教訓が込められています。

このような教訓を含むことわざは、歴史を通じて人々の間で話され、教訓としての価値を持ちながら伝承されてきました。

「猿も木から落ちる」の英語表現

「猿も木から落ちる」は日本独自のことわざですが、同様の意味を持つ英語の表現もいくつかあります。

Even Homer nods: 「ホメロスでさえうとうとする」。古代ギリシャの偉大な詩人ホメロスも時には注意が散ることがあるという意味で、誰もがミスを犯す可能性があることを示します。
To err is human: 「間違えることは人間らしい」。この表現は、間違いは人間の自然な一部であり、誰しもが犯すことを認めるものです。
Nobody’s perfect: 「誰も完璧ではない」。どんなに優れた人物でも欠点があり、ミスを犯すことがあるという事実を表します。

これらの表現は、それぞれ猿も木から落ちるということわざと同じように、すべての人が時には失敗やミスを犯すという教訓を伝えます。

「猿も木から落ちる」と「犬も歩けば棒に当たる」の意味の違い

これらのことわざは、その意味と用途において明確な違いがあります。

「猿も木から落ちる」は、木登りが得意な猿でさえ失敗することがあるという意味で、どんなに熟練した専門家でもミスを犯す可能性があることを表します。このことわざは、失敗は誰にでも起こり得る自然なことであるという教訓を伝えています。

一方、「犬も歩けば棒に当たる」は、犬が歩いていればいずれは棒（善悪どちらの結果も示唆する）に出会うという意味です。これは行動することの重要性と、その結果として予期せぬ良いことや悪いことが起こり得ることを示します。良い意味で使われる場合は、行動によって幸運が訪れることがあると教えます。一方で、悪い意味では、無分別な行動が災難を招く可能性があると警告します。

これらのことわざは、それぞれ異なる教訓と人生の哲学を表しており、状況に応じて選択的に使用されます。