SNSやネット掲示板を見ていると、「それエアプだろ!」という言葉を目にすることがあります。ゲームやアニメの話題で盛り上がるときによく出てくるフレーズですが、「エアプ」とは一体どういう意味なのでしょうか。
「エアプ」は「エアプレイ(air play)」を略したネットスラングで、実際に体験していないのに、知ったふうに語ることを指します。もともとはゲームコミュニティで「プレイしていないのに批評する人」を揶揄する言葉として広まりましたが、今では音楽やスポーツ、さらには日常的な話題にまで使われています。
本記事では、この「エアプ」という若者言葉の意味や由来、使い方、そして注意すべきポイントを詳しく解説していきます。
「エアプ」の意味
「エアプ」とは、実際にはプレイ(体験)していないのに、あたかも経験者のように語ることを指す若者言葉・ネットスラングです。
基本的な意味
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「エア」=空想・実体のないもの
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「プ」=プレイ(play)の略
👉 「エアプレイ」=やっていないのにやったふり、というニュアンスになります。
使われ方
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ゲームを遊んでいないのにレビューや攻略を語る人に対して「エアプ乙(おつ)」などと皮肉を込めて使われる。
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ゲーム以外でも、「経験していないのに知ったふうに語る」人を指して使われるようになった。
拡大した意味
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音楽:実際に聴いていないのに「名盤だ」と語る → エアプ
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スポーツ:観戦経験がないのに「戦術がどうこう」と批評する → エアプ
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日常:未経験のサービスや商品を「微妙だった」と語る → エアプ
ポイント
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「エアプ」は単なる「初心者」や「にわか」とは違い、体験していないのに語ることにフォーカスした言葉。
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ネガティブなニュアンスが強いため、相手を揶揄する形で使われやすい。
語源と由来
言葉の成り立ち
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「エアプ」は 「エアプレイ(air play)」 の略語。
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「エア」=実体のない、空想上の
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「プレイ」=遊ぶ、体験する
👉 「やっていないのにやったふりをする」=「エアプ」という意味が生まれました。
ゲームコミュニティ発祥
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2000年代後半〜2010年代前半、ネット掲示板やSNSのゲーム関連スレッドで使われ始めました。
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特にオンラインゲームや家庭用ゲームのレビューで「遊んでないのに批判している人」を揶揄する表現として浸透。
ネットスラングとして一般化
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ゲーム以外のジャンル(音楽、アニメ、スポーツ)にも拡大。
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今では「経験していないのに語る人」全般を指す若者言葉として、SNSや会話でも使われるようになっています。
自虐的な使い方
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「自分エアプだけど~」と前置きしつつ意見を言うケースも増加。
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「やってないけど、聞いた話では…」とやわらかく切り出すニュアンスも含むことがあります。
ポイント
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「エアプ」は ゲーム文化が発祥 で、そこからネットスラングとして日常語に進化した言葉。
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ネガティブな揶揄として使われる一方、近年はライトに「未経験だけど」という意味合いでも用いられています。
「エアプ」の使い方の例
「エアプ」はネット発祥の言葉なので、SNSや掲示板、ゲーム仲間との会話でよく用いられます。文脈によっては揶揄、皮肉、自虐など幅広い使い方が可能です。
他人を揶揄するとき
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「あのレビュー、完全にエアプだろ」
👉 実際にやっていないのに語っている、と指摘。 -
「エアプにありがちな意見だね」
👉 経験者から見れば的外れな発言を批判。
ネット上での議論で
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「エアプ乙(おつ)」
👉 「やってないくせに口を出すな」という強い皮肉。 -
「それ、エアプ情報だから信用できないよ」
👉 情報源の信頼性を疑う表現。
自虐的な使い方
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「自分エアプだけど、このゲーム難しそうだね」
👉 実際にやってないけれど印象を述べるときの前置き。 -
「エアプだから詳しくは知らないけど…」
👉 自分の立場を軽くすることで発言を柔らかくする。
ゲーム以外の拡張例
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「あのドラマ、エアプだけど面白そう」
👉 見ていないけど話題に参加する。 -
「筋トレはエアプだから正しいフォームがわからない」
👉 未経験をカジュアルに表現。
ポイント
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ネガティブなニュアンスが強いため、相手に直接使うときは注意が必要。
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自虐的に「エアプ」と名乗れば、軽く意見に参加するクッション言葉としても機能する。
注意点
「エアプ」は便利なネットスラングですが、使い方を間違えると相手を不快にさせたり、誤解を招いたりすることがあります。
ネガティブな響きが強い
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「やってないのに知ったふりをする」という揶揄を含むため、相手を批判する意味合いが強い。
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面と向かって「お前エアプだろ」と言うと、攻撃的に受け取られる可能性が高い。
実際の経験を断定できない
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「本当にやってないのかどうか」を外から判断するのは難しい。
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軽率に「エアプ」と決めつけると、自分の理解不足をさらすことになりかねない。
自虐として使う場合は効果的
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「自分エアプだけど…」と前置きすることで、未経験を素直に示しつつ会話に参加できる。
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相手に圧迫感を与えない柔らかな表現になる。
フォーマルな場では不向き
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ネット発祥のスラングなので、ビジネスや公式文書では使用を避けたほうが無難。
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あくまでカジュアルなコミュニケーションに限定される言葉。
ポイント
「エアプ」は若者文化やネット特有のユーモアを含んだ表現ですが、揶揄・皮肉の要素が強いため、相手に使うときは慎重さが必要です。安全に使いたいなら、自虐的に用いるのがおすすめです。
類語・関連表現
「にわか」
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意味:浅い知識や経験で話題に乗る人。
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違い:「にわか」は一応体験しているが理解が浅い人、「エアプ」はそもそも体験していない人を指す。
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例文:「にわかファンとエアプは全然違う」
「ドヤ顔」
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意味:得意げに語る様子。
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違い:「ドヤ顔」は態度の表現で、必ずしも未経験者を指すわけではない。エアプと組み合わされると「やってないのにドヤ顔で語る」という強烈な批判になる。
「エアリプ」
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意味:SNSで、相手に直接リプライせずに間接的に言及すること。
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関連性:「エア=直接的でない、実体がない」という点で共通。ネットスラングとしての派生語。
「デマ」
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意味:根拠のない噂や誤った情報。
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違い:エアプが語る内容は経験不足からくる誤情報が多く、結果的にデマにつながる場合がある。
にせ知識/エセ経験者
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意味:本当の知識や経験がないのに、あたかもあるように語る人。
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違い:造語的だが「エアプ」を別の言い方にするとこのニュアンスに近い。
ポイント
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「エアプ」は「未経験なのに語る」という特有のニュアンスを持ち、にわか=浅い経験とは明確に区別される。
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「エア」という部分が共通する「エアリプ」なども関連語として理解しておくと、ネットスラングの体系が見えやすくなる。
まとめ
「エアプ」とは、実際には体験していないのに、あたかも経験者のように語ることを意味する若者言葉・ネットスラングです。もともとはゲームコミュニティで「プレイしていないのに批判する人」を揶揄する表現として生まれましたが、今ではアニメ・音楽・スポーツ・日常会話など幅広く使われています。
一方で、「エアプ」は相手を小馬鹿にするニュアンスが強いため、安易に他人を「エアプ扱い」するとトラブルになりかねません。安全に使いたい場合は、「自分エアプだけど」と自虐的に前置きして発言するのがおすすめです。
「にわか」との違いは、「にわか」は経験が浅い人を指すのに対し、「エアプ」はそもそも経験がないのに語る人を指す点です。この違いを理解しておけば、ネット文化のニュアンスもより正確に読み解けるでしょう。
言葉の背景を知ることで、若者言葉を単なる流行語として消費するのではなく、会話の奥にあるユーモアや皮肉の感覚まで楽しむことができます。

