「望む」という動詞は、日常会話でしばしば耳にします。
この言葉には、「遠くを見渡す」という意味と、「ある状態を望む」や「特定のことを求める」という意味があります。
さて、「望む」をどのような状況でどのように使うか、具体的な例文を通して解説します。
「望む」の使用例:視点と願望を示す短文
「遠望」をテーマにした「望む」の使用例
・西教寺の唐門からは、登録有形文化財として保護されている建築を背景に、琵琶湖の広がる壮大な景観を眺めることができます。
・漁火パークは冬の夜、中腹の位置から水平線に散らばる漁船の灯りを遠くに望むことが特徴的なスポットです。
・「パノラマ台」からは山中湖と富士山を一望に捉えることができ、その景色は写真愛好家たちにとって有名な撮影ポイントとなっています。
・グランドキャニオンの見晴らしは、特に日の出や日没時にその真価を発揮し、コロラド川が創り出した赤い大地と深い谷の光景を望むことができます。
「願望」をテーマにした「望む」の使用例
・一人暮らしの中で感じる孤独や不安が原因で、結婚を望む人々が増えています。
・首相は、分断や不安定な状態への逆戻りを望まないスコットランドの市民の支持を公言しました。
・ニューカレドニアでは住民投票が行われ、「フランスからの完全な独立と主権を望むか」という重大な問いが提示されました。
・出世や給料の向上を望まない若者が増えており、これは彼らの多様な価値観が反映されている現象です。
・生活を抜本的に見直す必要性があり、それには自分が心から望むことに焦点を当て、不要なものを削ぎ落とすことが求められます。
・クリスマスプレゼントに関して、私は子供たちが望むものよりも、親が贈りたいと思うものを選ぶべきだと考えています。
「望む」の類義語とその使い分け
「望む」という言葉には、視覚的な意味と願望的な意味の両方がありますが、それぞれに適した類義語も存在します。
視覚的な意味での類義語
- 「遠望する」:遠くをじっくりと眺めること。
- 「展望する」:広い範囲を見渡すこと、または将来の見通しを考えること。
- 「一望する」:一目で広範囲を見渡すこと。
- 「遠くを見晴らす」:遠くの景色や状況を広く見ること。
願望的な意味での類義語
- 「希望する」:将来に対して良い結果や状況を望むこと。
- 「願望を持つ」:特定の目標や結果を強く求めること。
- 「期待を募らす」:特定の事が起こることを強く待ち望むこと。
- 「求める」:何かを得ようと強く望むこと。
- 「念願する」:長い間心から望み続けること。
- 「乞い願う」:何かを強く求めて懇願すること。
これらの類義語を使うことで、「望む」という言葉のニュアンスをより正確に表現することができます。それぞれの言葉が持つ独自の意味合いを理解し、適切な文脈で用いることが重要です。
まとめ:「望む」と「臨む」の区別
以上で、「望む」の用法とその例文についての紹介を終えます。これらを参考に、日常の表現に活かしていただければと思います。
なお、「望む」とよく混同されがちな言葉に「臨む」があります。どちらも読み方が「のぞむ」と同じであるため、特に文字入力時に間違えやすいです。
「臨む」には複数の意味があります。
- 「海に臨んだ部屋」のように、何かに面している状態を示す「向かい対する」という意味。
- 「危機に臨む」のように、ある状況や時期が迫っていることを示す「直面する」という意味。
- 「試合に臨む」では、何かに参加する、あるいはそれに取り組むという「参加する」という意味。
- 「厳正な態度で臨む」のように、特定の事態に備えた適切な態度で臨む「予想される事態に対応する」という意味。
これらの違いを把握し、正確な文脈で使い分けることが、効果的なコミュニケーションには重要です。